酒場で得られる幸せ

エッセイ

立ち飲みでもそうでなくても、カウンター席のみの大衆酒場が好きだ。
お店の人だけでなく、近くに座るお客さんともちょっとした会話が生まれ、知らなかったことを知れるから。

コの字カウンターの場合は、会話する相手がお隣さんとも限らない。
おいしそうな料理が見えたお次は、おいしそうに食べる顔が見える。
そして同じものを注文すると、そのお客さんにそれがみつかる。

「これ、おいしいよっ!」と満面の笑み。

自分の席に提供されると、今度はそのお客さんがこっちの様子を伺っていることに気づく。
一口食べてみると、これが本当においしくておいしくて。

「おいしいです」と言ってニンマリする。
あちらも、ホッとしたように笑う。まるでピースしているような表情だ。

最近そうやって食べたものが、この粕汁。

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越乃寒梅とともに味わった。

この味に出会えて良かったなぁ。
このお店だから出会えたんだよなぁ。
としみじみ思い、平和な気持ちになる。

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