立ち呑み「まつい」のおでポテ

わたしの好物

酒場へ行くと、ポテトサラダがあれば決まっていつも注文する。好きという理由だけではなく、どて煮のような味の濃い料理とバランスをとるためにも必要な一品なのだ。正直なところ、ハムときゅうりが入っていて手作りであれば十分だと思ってきた。

立ち呑み「まつい」(大阪・京橋)のポテトサラダは、私が今まで求めてきたシンプルなそれとは全く別物。だが、初めて食べた日から大好物になった。

名前は「おでポテ」。昭和27年から続く酒場の名物おでんが生まれ変わったひと皿。オーダーを受けてから作ってくれる。おでんの鍋からじゃがいもと玉子を取り出してボールに入れ、マヨネーズと辛子を加えてかき混ぜる。器に入れ替え、青のりをふりかけて完成。そんな光景をカウンター席から見るのが楽しい。人気のスピードメニューだ。

さっきまでおでんの鍋の住民だったじゃがいもと玉子は、もちろんあったかい。大きなじゃがいもの固まりをほくほくと味わう。食べていると、子どもの頃に母親が作りたてのポテトサラダを味見させてくれた記憶が蘇る。あったかいポテトサラダを食べる機会なんて、その時しかなかったから。ポテトサラダやコロッケって、出来立てならではのおいしさがある。

ここの「おでポテ」は辛子が効いていて、お酒がすすむ。入り口の扉がない開放的な立ち呑み屋なので、寒い日に食べると更に良さが分かる。よその酒場のポテトサラダとは全く別物だと心得ている。それぞれの良さを味わっていきたい。立ち呑み「まつい」のおでポテは、これからもずっと食べていきたい大好きな一品だ。

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